宇宙技術・宇宙利用・衛星利用 宇宙旅行・宇宙観光情報 生活の中の宇宙を感じる体感イベント
Live in SPACE Project
 
ホームへ 生活の中における宇宙技術・宇宙利用 現在の宇宙観光・宇宙旅行 生活の中の宇宙を感じる体感イベント コラム ライヴ・イン・スペース・プロジェクトについて
 
〜大貫美鈴さん(2)〜

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
宇宙での「衣」〜続き〜
 
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 


大貫さんは、宇宙における衣服の研究にあたって、まず地球上の「衣環境学」というものに着目しましたが、これが簡単にどういうもので、宇宙という特殊な環境へ応用するにあたってどのように参考になりましたか?
大貫さん:
実は「宇宙でのふだん着」の研究を提案したものの、デザインから入るのか、素材を追究するのか、最初の段階で研究の進め方は固まっていませんでしたが、宇宙飛行士のインタビューで頻繁に出てきた「着心地」という言葉にビビッと感じて、「着心地」の切り口からアプローチすることにした、という経緯があります。

着心地って日常よく使う身近な言葉ですが、「着心地がよい」とか「着心地が悪い」とか、個人の感性的な要素が大きくて、時と場所と環境など状況によって変化する曖昧で複雑なものです。
大貫美鈴さん
このとても主観的な着心地は、生理的、機能的、心理的、社会的な要因から構成されています。これを客観的に評価するためには、衣服着用時の生体情報、感覚情報、身体と衣服の間に形成され
る衣服内微環境の空気の温度と湿度、種々のガス濃度の計測などが必要です。これらが満たされたとき、着心地の良さが実現できるのです。


©NASA

宇宙服も、汗、熱、ガス濃度の地上との差異に対応していて、さらに、無重力という宇宙環境にあった機能、素材、デザイン、色、柄であることも必要です。

日本女子大多屋淑子教授は宇宙での環境を模擬した実験で衣服内微環境を計測・評価し、宇宙環境に適する衣服材料を選定し試作するなど、宇宙環境に適する衣服開発を行っています。

宇宙において衣服は、これまであまり注目されなかったかもしれません。しかしその役割は非常に大きく、宇宙飛行士の健康維持管理に必要であり、生活を楽しく活性化するためにも有用であり、気分転換やストレス軽減にも役立っています。宇宙では自分の好みで温度調節などを勝手に行うことができませんが、衣服は、自分にふさわしい環境を自由に作り出すことができる簡便でクリーンな環境制御装置と言えます。

LiS:


その他、日本の伝統的機能服である「作務衣」も取り上げていますが、個人的に大変面白いと思いました。この進展や調査結果はいかがでしたでしょうか?

大貫さん: これは女性宇宙フォーラム科学顧問の黒谷明美氏(JAXA)のアイディアで検討しているものです。作務衣は元来、労働・作業を行う際に動きやすいように作られた伝統的でなおかつ機能的な和服で、日本古来のカジュアルウエアと言えます。

素材も宇宙で着用する衣服素材として既に認められている木綿です。藍染のインディゴ色素は世界中で人々に親しまれている色であり、さまざまな出身国の宇宙飛行士にも好まれるものと思います。また、青色は一般的に人の心を落ち着かせる沈静力があり、宇宙の閉鎖空間でのストレス軽減にも役立ちます。このように作務衣は「宇宙でのふだん着」の条件にぴったり合っていることがわかりました。今後は、ボタンやベルクロによる留め方など、更に具体的な検討を進める予定です。

次へ
    
HomeFrom SPACETo SPACEFEELInterviewColumnAbout Us | LinkSite Map